ああ胸が小さい!小さすぎる!

わたしには悩みがある。この悩みはちっぽけで、そして大きい。
何がちっぽけかと言えば悩みの中身であり何が大きいかと言えばその根源だ。
そう、わたしは胸が小さいのである。Aカップなのである。

そんなわたしであるが、最初に胸について悩んだのは意外にも「同年代と比べて胸が大き過ぎる」ことだった。
小学四年の秋口に生理が来たわたしは、周囲の女子たちより思春期が早く訪れていた。

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そのため当然胸が張り、身長が低い方であったわたしとしては「不釣り合いなこの胸の大きさが嫌だ」と感じ、夜な夜な神様に「どうか胸が大きくなりませんように」と祈りを捧げていたのである。
時は移ろい高校生、十六歳になったわたしはAカップ未満のまま大人の身体を完成させつつあった。つまり神はいたのである。

困ったことに大学受験のストレスで肥えてようやくAカップになって以降わたしの胸の発育は終了してしまった。
大学入学後、彼氏欲しさに胸を大きくしたいと思い「揉めば大きくなる」「豆乳を飲むべし」「唐揚げが効く」といった情報を検索しては試していた。
しかし胸は一向に大きくならない。そう、わたしの母もまた胸が小さかった。つまり、神への祈りが通じたのではなく遺伝子上元々わたしの胸はAカップが関の山だったのだ。

なのでわたしは「胸が小さいこと(ついでに身長も低いこと)」を武器にすることを考えた。いわゆるロリっ子、妹キャラである。
しかしまた困ったことに、わたしはつり目のクール系の顔立ちをしていた。つまり妹キャラには不足する。
ならばどうすべきか、どうすればこの小さすぎる胸と付き合うことができるのか。

結論は意外にも手近な場所に転がっていた。
ある時サークルの友人から、「お前イイ尻してんな」と酔った拍子に言われたのである。
それを皮切りに飲みの場では「胸派・尻派」の論争が始まることとなった。
つまりわたしは「自分の尻」を胸の代わりに磨けばよかったのである。

世の中の男性には一定数貧乳派が存在し、一定以上に尻好きが蔓延っている。
気付いたわたしはスクラブや保湿で二十数年蔑ろにしてきた尻を磨き、極力ぴったりとしたジーンズを着用することにした。
元来尻が大きかったわたしは尻を強調することによって相対的に「クビレがあるグラマラスな体格」を得て、それにより現在の夫を獲得したのである。

世の中の胸の小ささに悩む女性諸君は一度振り向いて欲しい。
「武器は胸だけにあらず」ということを。